「奇貨居くべし」に学ぶ5つの人生訓(2)

人生訓その2は、「2. 日々の積み重ねが未来を形成する」です。 ーわたしは運がよい。 と呂不韋はおもう。奴隷にされるという最悪なときに、孫のようなすぐれた先生にめぐりあえて、教えをうけることができた。人の力を過大に考えるわけではないが、努力を積み重ねてゆけば、人はおもいがけない力を発揮するようになる。自分が自分におどろくようにならねばならぬ。不運や不遇を嘆き、他人の薄情さを怨んでいるうちは、自分が自分を超えていない。努力が足りないあかしである。ほんとうの高みに登れば、展望がひらけ、風が変わる。人の世の風も変わるのである。 「理由のないことは起こらない。自分からでていったことは自分にかえってくる」 と呂不韋は孫子にさとされたことがある。 未来は起こるのではなく、起こすものであろう。自分の現在と過去からでていったものが、未来としてかえってくるのではないか。 呂不韋はそうおもいたい。 一日に千里を...
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MR PORTER

イギリスに拠点をおくメンズファッションのオンラインショップ、MR PORTERで、DUVETICAのダウンジャケットを買いました。 Dionisio Padded Full Zip Jacket このショップ、初めて買ったのですが、届いてみてそのサービスの質の高さに驚きました。 久しぶりに気分がよかったので、ここに書き留めておきます。 まずは注文してから届くまでの速さ。 注文した翌日に"Your order dispatched"(出荷しました)のメール、それから2日後にはマンションに不在票が投函されていて、今日再配達してもらいました。注文してから届くまでわずか4日。イギリスから発送しているのに、下手な国内サイトより速いです。 次に、信じられないほど丁寧な梱包。 ダウンジャケットを、MR PORTERオリジナルのガーメントに包み、それを包装紙でくるみ、さらにオリジナルのGift Box(写真奥)に梱包し、それが段ボールに入れられて送られて...
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「奇貨居くべし」に学ぶ5つの人生訓(1)

奇貨居くべし 天命篇 (中公文庫) 宮城谷 昌光 中央公論新社 2002-04 売り上げランキング : 49177 Amazonで詳しく見る by G-Tools 少し前にも書きましたが、宮城谷昌光の「奇貨居くべし」がようやく読み終わりました。 実に人生訓に富んだ傑作で、「本からの学び」という意味では「孟嘗君」以上ではないでしょうか。孟嘗君は貴賓に生まれ、生まれながらの大才、という印象ですが、呂不韋は商人の子として生まれ、家族の愛から遠かったり、奴隷になったり、命を落としかけたり、苦難の連続の中で成長していくので、大業を成し遂げる人と平凡に生きて終わる人との違いが浮き彫りになっていたように感じました。まさに座右の書。何度も読み返すべき本だと思います。 呂不韋の生きかたの中で、僕が特に肝に銘じておくべきだと感じた5つの人生訓を書き残しておきたいと思います。相当長くなりそうなので、1つずつ。 1: 人を活かすことが自分を活かす 孟嘗...
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Ninpu Talk with LiLy

今日は一風変わった本ですが…妻からの課題図書を読みました。 Ninpu Talk with LiLy LiLy 講談社 2011-07-01 売り上げランキング : 10075 Amazonで詳しく見る by G-Tools 妻の出産予定日まであと10日程度にせまってますが、実のところ、僕は今になってもほとんど実感がないのです。もちろん、妻のお腹を触れば胎動は感じるし、家は徐々に赤ちゃんグッズが増えるしで、以前よりは実感が増してはいるのですが、なんとなく遠い未来の話をしているようで。。そんな様子を見てるせいか、妻からは「この本を読め」と。普段僕もあれ読めこれ読めと本を薦めてるので、まあたまには薦められた本もね、ということで、TSUTAYAでコーヒー片手に読んでみました。 妊娠発覚から出産まで、章を追いながら時系列で描かれていて、前半はまあ淡々と。で、最後の2章が、2人の女性がそれぞれ出産する場面なんですが、文章力のある作家さんが書い...
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経済危機のルーツ

経済危機のルーツ ―モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか 野口 悠紀雄 東洋経済新報社 2010-04-09 売り上げランキング : 42202 Amazonで詳しく見る by G-Tools 日本経済のこれからを考える上でよいインプットをくれた本。非常に有意義な読書。 日本が製造業依存から脱却しなければならないと言われだして久しい気もするし、ものづくりこそ日本の強みという論調が今でも根強いような気もしますが、僕個人としてはやはり製造業依存から脱却しなければならないように思います。 (厳密に言うと、アッセンブリーまでを自分でやるというモデルとしての製造業のはもうやめたほうがいいし、自社ブランドにこだわる必要もない、ということ) アッセンブリーは労働集約的で、人件費の高さがネックになるし、この本に書いてあるとおり歴史的にも製造業は一人当たりGDPが相対的に低い国が、通貨価値が相対的に安いことと相まって世界を牛耳っているのだから、そういう意味でも日本の役目は終わったのでしょう。 製造業という意味では、以前に書いたように、「Appleのiphoneの利益の約35%は日本企業が取っていて、それは他のどの国よりも多く、iphoneが売れて一番もうかるのは日本」みたいな中間財でもうけるビジネスモデルが理想だと思ってます。 「細部にまでこだわる」といわれる日本人気質は、完成品でやっちゃうと「過剰スペック・高コスト」という負の側面に陥りがちだけど、部品とか素材レベルでは「高い技術力に裏打ちされたキーデバイス」といったようなプラスの側面が作用する可能性が高いように思うので。 一方で僕は、ドイツ駐在時の日常生活での体験や、欧米人の同僚との会話から、日本の最大の強み(欧米人が真似できない、かつ尊敬していること)は"politeness"や"hospitality"だと実感し、であるがゆえにサービス業の海外輸出を今後のキャリアディベロップメントの柱に据えようとまで考えているのだけど、ここでいうサービス業ってなんだ!?というのが問題。 というのも、politenessやhosipitalityと聞いてすぐに思いつく産業は観光・ホテル業だったり外食産業だったりですが、問題はこれらの産業がどちらかというと労働集約的で、労働生産性が低く、たとえ製造業からこれらのサービス業に産業構造を転換したとしても、国の生産性を上げることにつながらなさそうなのです。 politenessとかhospitalityって人の性格として蓄積されていくものなので、素直にアウトプットをすると労働集約的なサービス業、となるのはある意味当然なのですが、それではだめだというのを本書を読んで再認識させられました。 人がそのままやることではなく、そういう人たちだからこそできる産業だったり、プラットフォームだったりに転換できるといいのですが。。 医療とか、アニメやコミック含むコンテンツとか。。このへんは引き続き考えていきたいと思います。 シンガポールなんか上手に国を発展させてるなぁと感じるので、一度しっかり勉強してみるべきですね。 (以下備忘録) ----------------------- 【序章 なぜ歴史を振り返るのか】 80年代においては、社会主義経済の失敗が明らかになった。中国も工業化した。これは、製造業に関する条件を大きく変化させるものであった。それまで社会主義経済圏に閉じ込められていた膨大な数の労働者が、資本主義経済の枠内に参入し、その結果、製造業の生産コストが大幅に低下した。 【第1章 現代世界経済の枠組みが1970年代に作られた】 石油ショックとは、さまざまな財・サービスの相対価格が調整されていった過程である。 「価値の基準であり続けたのは、金との兌換停止によってペーパーマネーとなってしまったドルではなく、金であった」と考えれば、原油価格は格別に上昇したわけではなかったのだ。むしろ「金表示の原油価格が不変に保たれた」と言うべきであろう。 石油ショックとは、原油という特殊な財の価格が変わっただけの過程ではなかった。むしろ通貨の価値が金との関係において、またさまざまな国の通貨間で、調整された過程だったと考えることができるのである。 日本と西ドイツが石油ショックに対して適切に対応できたのは、経済システムの優劣ではなく、むしろ、日本もドイツも通貨が増価した国であったことだ。そしてイギリスやイタリアの通貨は減価した。ドルに対して増加した通貨の国では、原油価格上昇の影響は緩和されたことになる。 西ドイツでも日本でも、戦災によって戦前からの工場の多くが失われた。しかしそのために、新しい技術体系にあった新しい工場を造ることができた。技術が大きく変化した世界では、生産性向上のために、そのほうがかえって望ましかったのだ。それに対して、イギリスやアメリカは、戦前の古い技術体系(蒸気機関)から完全は抜けだせなかった。 高度経済成長の基本は、農業経済から工業経済への移行なのである。 50年から70年にかけての人口成長率は、イギリスでは13%だったが、西ドイツでは28%に及んだ。人口成長率が高ければ、それだけで経済全体の成長率は高くなるが、若年者が多いために労働生産性も高まる。また高齢化に伴う社会保障負担が低くなる効果もある。 日本や西ドイツでは間接金融中心で巨大銀行が存在し、工業化のための資本供給で重要な役割を果たした。 企業の重要決定に労働者が参加する共同決定法の背景にあるのは、階級意識が希薄であるドイツ社会の構造だ。 全体主義的・集計的体制は、新しい情報技術の下では効率が下がるだけでなく、生き延びることすらできない。社会主義国家の崩壊は情報技術の転換とほぼ同時期に起こっているのだが、これは偶然ではなく、必然だった。 (メインフレームコンピュータから分散的情報処理システムへ) 【第2章 経済思想と経済体制が1980年代に大転換した】 70年代のアメリカは、経済面でも政治面でも、最悪の時期を経験していた。 社会主義が保守的になってしまったのは、イギリスだけの特殊事情ではなく、むしろ共産圏において顕著な傾向だった。ソ連だけでなく東欧諸国においても、超高齢者が権力の座に座り続けていた。そして、「体制を変革するには気が遠くなるような努力が必要なので、そのままにしておいた」のである。 サッチャーが目的としてのは、既得権に守られた国内産業を支援することではなく、むしろそれらを排除し、競争力のある効率的な産業を育てることだった。重要なのは企業の国籍ではなく、企業のビジネスモデルであり、その遂行能力であるとされたのだ。 TINA(There...
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Cup Noodle

楽天オープン期間中に、ナダルがカップヌードル(主にシーフード)を30個食べたという噂を聞き、宣伝効果そのままにカップヌードルが食べたくなり、夕飯に2つも食べてしまいました。。 "ナダルは今大会、試合前や試合後にカップ麺を食べる姿が目撃されているが、「カップ麺ばかり食べているわけではない」とコメント。「鉄板焼きを食べたし、魚市場にも行った。世界中のどこの国でも、日本食を食べるようにしている」と述べた(2011/10/09 ロイター)" うまかったです。が、これでまたしばらくはおあずけにし...
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Rakuten Japan Open Tennis Championships Final

楽天オープン決勝戦。自宅で観戦しました。 なぜ準決勝は現地に観戦しにいって、決勝は自宅にしたのかと言うと、以前ローランギャロスに全仏の女子シングルス決勝(サフィナvs.クズネツォワ)を観に行った時に、けっこう一方的な展開で、1時間強でセットカウント2-0で終わってしまい、すごくあっけなかった記憶があったんです。 で、それなら準決勝のほうが2試合観られるし、準決勝まで来ればかなりの好試合になるのは間違いないし、ということで、今回は準決勝を現地観戦、決勝は自宅観戦にしました。 しかし、今日の決勝は「現地で観たかった!」と思わずにはいられない熱戦。 ナダルの出来は昨日とは明らかに違うし、そのナダルを1セットダウンから逆転で下したマレーは覚醒したかのように強かった。 惜しいことをしましたが、2人とも来年も来たいと言っているので、来年は決勝を観に行きたいです。 マレーはダブルスも優勝して大会2冠。おめで...
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Rakuten Japan Open Tennis Championships

今日は有明テニスの森で開催中の楽天オープンのシングルス準決勝2試合、ダブルス準決勝2試合の計4試合を観戦に行きました。 第一試合はナダルvs.フィッシュ。 ナダルは決して本調子じゃないように見えましたが、第一セットを取った後の第二セットは徐々にノッてきたようで、ナダルらしいショットがいくつかありました。 それよりおもしろかったのは第二試合のマレーvs.フェレール。 ストローカー同士の激しい打ち合い、マレーの200km/hを超すサーブ、非常に見応えがありました。 激しい打ち合いでしたが、少しずつマレーのほうが上回っていて、終わってみればマレーの圧勝でした。 個人的に2008年に初めてプレーを観て以来、マレーを応援し続けているんですが、今日は生でそのすごさを感じることができてよかったです。 その後のダブルスでもマレーがお兄さんとともに登場。 こちらもフルセットの末勝ち上がって、マレーは明日シングルスとダブルスの二冠を狙っての戦いになります。 ...
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鹿児島

写真は全く関係ないですが、日曜から火曜まで鹿児島に出張しました。 鹿児島を訪れたのは小学生の頃の家族旅行以来でしょうから、20年ぶりくらいでしょうか。 九州新幹線が全線開通したからか、鹿児島中央駅は新しい駅ビルが建っていて、思った以上に都会的でした。 鹿児島といえば、僕のお気に入り番組であるBSジャパンの「写真家たちの日本紀行」で、師岡清高さんが撮影していて、その回は僕の今年一番のお気に入りでした。 彼のような写真が撮れるようになりたいと思ってたこともあり、今回せっかく鹿児島を訪れるので、写真を撮ろうと思っていたのですが、残念ながら仕事におわれて全く撮れませんでした。 次回の出張に期待です。妻の出産が遅れるとかぶりそうなので、どきどきしてます...
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