デザインの話

2月20日に放送された「プロフェッショナル仕事の流儀:デザイナー梅原真」をようやく観ました。 土佐かつおの藁焼き、壱岐で作られているこのわたなど、農林漁業×地方をテーマの商品に関して、デザインを武器にヒットを生み出す、という。 土佐かつおの藁焼きなんて、今では20億円も売れているそうだ。こうして日本の原風景を未来に残したい、というのが梅原さんの情熱らしい。 番組の後半で、高知県で、人間が食べてもおいしいような食材で鶏を育て、その鶏が生んだ卵を売る人から相談を受ける。 栄養価の高いものを食べている鶏から生まれた卵なので、味は抜群。ただし、値段は1つ100円以上するそうだ。ほとんど売れてなくて、貯金を食いつぶしているという。 僕は仕事柄、もし自分がこういう相談を受けたら、「高価な卵を買う人はどういう人で、どこに住んでいて、どこで買い物をするから、そういうところに流通できるような戦略を考えましょう、ブランド力をあげるためにも何か工夫をしましょ...
続きを読む »

ヤコブへの手紙

70年代のフィンランドの片田舎を舞台に、刑務所から出てきたレイラと、人々からの手紙を待ち続ける盲目の老牧師ヤコブ、手紙を届ける郵便配達人の3人が紡ぐ、手紙を巡る物語。 ヤコブは届けられる手紙に書かれた相談に真摯に向き合い、差出人に髪の加護があるように祈ることが自分が生を受けた使命だと信じ、目が見えなくなってもレイラに手紙を読んでもらい、返信を書いてもらいながら使命を果たそうとする。 一方のレイラは、過去に犯した犯罪のために自らが生きる意味を失ってしまった。彼女には、盲目になりながらも誰の役に立っているかもわからないような日々を送っているヤコブが理解できないし、嫌悪感すら感じてしまう。 レイラはヤコブに必要とされることで、徐々に自分が誰かの役に立っていることを実感していく。 僕らは人に頼る時、相手に迷惑ではないかと考え、できるだけ自分でやることが相手にとってもいいことだと考えてしまいがちである。 しかし、人に必要とされることを通してしか、人は自分が生きている意味を実感できない。 人に頼りにしながら生きることが、周りの人を生かすことに繋がる。 そんなことを考えながら、ゆったりと流れる時間を旅した火曜日の夜でした。 ヤコブへの手紙...
続きを読む »