その妹



市川亀治郎×蒼井優の舞台「その妹」をWOWOWで鑑賞。原作は武者小路実篤。

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明治時代末期。画家として将来を嘱望されていながら、戦争で視力を失った野村(市川亀治郎)は、美しい妹の静子(蒼井優)とともに叔父夫婦の家に身を寄せていた。絶望となんとか折り合いをつけながら作家になる道を探る野村を、静子は筆記を手伝いながら献身的に支えて暮らす。そんな中、静子は叔父夫妻から意に沿わぬ縁談を迫られ、兄妹は苦境に陥る。
状況を知った野村の友人で編集者の西島(段田安則)は、野村と静子を支援することを決意。叔父夫妻のもとを離れた2人の生活費を、身を削って工面する。西島が友情を越えた感情を持ちつつあることを、妻の芳子(秋山菜津子)は敏感に感じ取っていた。
試練が続く中、自らを奮い立たせながらも、現実に押しつぶされそうになる野村。そのかたわらで、静子はある思いを胸に秘めていた…。
WOWOW番組紹介より)
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市川亀治郎、蒼井優の演技がすごい。
正直暗い話なんですが、会話のテンポのよさと舞台独特の声量の大きさのせいか陰気な感じにならずにぐいぐい引き込まれるし、日露戦争後という時代背景も正直あまり馴染みがないのに、2人の演技を見てるとなんとなくその時代にいるような錯覚を覚える。
舞台モノをTVで見るのってどうなのかと思ってましたが、ある意味映画より緊張感だったり迫力だったりがあるような気がします。
もちろん観にいくのはもっといいんでしょうけど。

「思い通りにならないことばかりでも、生きてさえいれば希望がある」という、どこか使い古されたような格言は、辛い現実を前に絶望している人にかける言葉としてはあまりにも無責任に感じてしまうし、実際そんな言葉をかけられたからといって、それだけで当の本人が前を向けるほど簡単ではない。
人からかけられる言葉としてではなく、当の本人が自らの信念としてその言葉を語る場合にのみ、この格言は人生を光を差し込むことができる。
静子(蒼井優)はそういう強さと輝きを持った人間であった。

僕もそうでありたい。

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