最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術―かけひきで絶対負けない実戦テクニック72 (2003/06) 橋下 徹 商品詳細を見る |
学生時代に法律を学んだときの最初の感想は、「法律は知っておいて損はないし、むしろ知らなければ損をすることだってありうる」ということだ。
身近な例で言えば、賃貸マンションの退去費用などは、法律を知っていればつき返せるものがたくさんある。
逆に言えば、法の不知を逆手にとった不当請求がまだまだ多いのだろう。
他にも、全然関係ないが、京都ではよく警察が自転車の検問をやっていた。
止まれと言われ所有者を調べさせろと言われれば当然応じなければいけないものだと思っていたが、行政法の授業で行政調査は基本任意なので、応じなくてもよいということを学んだときは本当に驚いたものだ。
��だからと言って、警察をふりきっても意味がないのだけど…)
法律は生きていく上でのルールである。
ルールを知らずにスポーツをやっては勝てる試合も負けてしまうのだから、生きる上でのルールが法律なら当然知っておいたほうがいい。
そういう意味で法律はおもしろかった。クリエイティビティのかけらもないので、仕事にする気にはなれなかったが。
社会人になってから、交渉術を学ぶ機会が何度かあったが、感想は法律と全く同じ。
ビジネスでもプライベートでも日々交渉ごとはつきものだから、むしろ法律以上に「学んでおいて損はない」と感じる。
そして、ドイツ人はやたらと交渉がうまく、なんだかわからないうちに丸め込まれていることも多い。
世の中には交渉術というものがあり、交渉術を使って有利に進めようとする人間がいるということを念頭に、冷静に物事を考えることが必要だ。
そんなわけで、交渉術の勉強はおもしろい。
この本を読んで橋下知事の発言を見直すと、言外の意図もなんとなく感じられたり・・・。
��以下、備忘録)
・交渉において相手を思い通りに動かし、説得していくには、「合法的に脅す」「利益を与える」「ひたすらお願いする」の三通りの方法しかない
・利益には2通りある。1つは文字通り相手方の利益。もう1つは実際には存在しないレトリックによる利益。実際の交渉の場では、後者の利益を強調しながら相手を動かすことが重要
・相手の言い分、主張を具体的に聞き出したら、それらを「相手方の絶対主張したいもの」と「譲歩可能なもの」の二種類に分類していく。この作業を経ることによって、相手の不満の本質と要求が明確になり、交渉の全体像がクリアになってくる
・交渉の場で最も重視するのは、いかにして仮装の利益を生み出すことができるか
・厳しい交渉において、本当に実効性のあるノウハウとは、きれいごとでは決してないことを肝に銘じてほしい。ビジネスの場面でも、「脅し」、つまり、相手の弱みにつけ込む行為は非常に効果的だ
・一度オーケーしたものに無理やり前提条件をつけて、意味内容の範囲を狭める
「自分が払うといったのは、無制限に払うということではなくて、法律で決められた範囲で全額を払うという意味です」
・交渉の見立て、つまり決着の予測は厳しめに設定する。交渉がはじまる前に担当者に対する期待値を必要以上に上げないようにするためだ
・対組織の交渉では、相手方の決定権者はだれなのかをはっきりと見定める作業が大事
・問題が起きてもなあなあで済ませ、抜本的な解決を先送りしてしまうと決してよい未来につながるものではない。なおさらシビアに交渉し、問題を解決することによって、より強固で確実な信頼が獲得できるはずだ
・言い訳は相手の価値観や重視するものによって使い分けると効果的
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