30

IMG_16468.jpg

もう昨日のことになりますが、誕生日をむかえ、30になりました。
写真はフラワーケーキ?とでも呼ぶのでしょうか、妻がプレゼントしてくれたものです(花なので、食べられません)。

30歳の誕生日はこれまでと違う気分なのか?と何人かに聞かれましたが、実はまだ30歳という実感がありません。
ただ、30歳というのがどういう年齢なのかを考えることはあります。
1つは、「若いのにがんばっててえらいね」「若いのにすごいね」と言われる年齢ではなくなったこと。
例えばクライアントに年齢を聞かれ、20代と答えていたときは、なんとなく上のような反応があって、悪い気はしなかったものですが、もうそんなこともなくなりそうだな、と思うと少しさびしい。
と同時に、これからは一人前の大人として扱われるのだ、もはや若さは言い訳にできない年齢になったのだ、と気持ちをあらたに一層がんばらなければならない、と思ったりもします。

30歳の時、僕の両親は何をしていたか。
父が30歳の時、僕は既に生まれていて、1歳でした。
さすがに1歳の頃の記憶はありませんが、写真で見る限り、今の僕と似たような大人加減の気がします。
まあ、既に子どもがいたわけだから、父のほうがだいぶ大人なのかもしれないけど。
その3年後、母が30歳の時、僕は4歳。幼稚園に入った頃です。
今僕に幼稚園児の子どもがいたら、と考えても、全く想像力が働きません。
当時の母は、30という節目に何を思ったのだろう?
子育てが忙しくて、それどころじゃなかったのだろうか。妹も生まれてたし。
何しろ親のことを考えても、30というのがどんな歳なのか、いまいちピンと来ないのです。

一方で、最近はおもしろい話があります。
というのも、僕と同年代の連中が、入社した会社で偉くなったり、起業したりで、「一緒に何かおもしろいことをやらないか?」という誘いをよく受けるのです。
いわゆる一般的な転職活動をしたりせずとも、こんな感じで次のキャリアを想像する機会が最近すごく多い。
少しずつだけど、僕らの世代が、会社の中軸になって物事を動かしたり、起業して新しい価値を提供したり、社会を動かしていく、変えていくことができるようになってきたのだと実感します。
そういう意味で、30というのは、社会から与えられるのではなく、社会を変えていくべく主体性をもう一段高め始める時期なのだ、そのように思うことはあります。
僕は社会に何を問うていくのか。

話は変わり、ここから先はただの自慢ですが、そんな30歳の記念に妻がプレゼントしてくれた手料理は、それはそれは最高でした。
中でも僕のお気に入りは、「ホタテとイカ、トマトのファルシ」。
最近のマイブームである、「細部の繊細さ」にあふれた一品でした。

IMG_16436.jpg


妻は、出会った当時から料理が上手でした。
しかし、僕が驚いているのは、「出会った後も、ものすごいペースで料理が上達しまくっている」ということです。
レパートリーはどんどん増えるし、味は繊細になるし、盛り付けに至っては昔の写真とは比べ物にならないほど。
ドイツでのつらい料理環境が彼女を育てたのでしょうか。とても幸せなことです。
そして、ますますの成長を期待せずにはいられません。

自慢ついでにもう1枚。↓は昨年のクリスマスディナーで登場した「バターライスと牛肉ステーキをstaubで」。
これも僕のお気に入り、三ツ星メニューの1つです。

IMG_15229.jpg


続きを読む »

Cambodia


久しぶりの更新です。
少し前、というかもう1ヶ月くらい前になりますが、休暇をもらってカンボジアに旅行しました。
というのも、もともとは12月に休暇をもらってプーケットに行く予定だったのですが、帰国直後から大型プロジェクトに従事することになり、休暇を返上。
そのプロジェクトもようやく一段落したので、あらためて休暇をもらったのです。
行き先がカンボジアに変わったのは、年末に会った友達の影響でアンコールワットを見たくなったから。

遺跡群の壮大さは期待以上。
細部の繊細な彫刻の美しさは、系統は違えど、グラナダのアルハンブラ宮殿を彷彿させるものがあります。
どうやら僕は、細部へのこだわりを感じられるモノにものすごく惹かれるようになっていたようです。
圧倒的な建築物の、その細部で、建築物より壮大な人間の世界観の凝縮を感じることができる。作り手の思いが伝わってくる。これがたまらんのです。
まさに"GOD IS IN THE DETAIL"ということなのでしょう。
最近、細部へのこだわりがマイブームです(自分の人生は大雑把なのですが…)。

アンコール遺跡群でもう1つ気に入ったのは、「建造物とそのままの大自然との融合」。
「管理された自然」を取り込んだヨーロッパの建造物とは真逆の印象。
という話を何人かの人に話したところ、「だったらボロブドゥールのほうが気に入るんじゃない?」とのこと。
なるほど。行ってみたい場所がまた増えた。

今回のカンボジア旅行では、もう1つ初体験をしました。
それは、絵を買ったこと。
絵といっても、みやげもの屋なんかで売っているテキトーなものじゃありません。
たまたま通りかかったカンボジアの若手アーティストのギャラリーに立ち寄った時のこと。
シャガールやピカソの画風を少し真似たような絵が多かったのですが、そのうちの1枚に、カンボジア独特のやさしい仏教観と太陽のエネルギーを感じられる1枚を見つけ、すっかり気に入ってしまったのです。
加えて、「ギャラリーに立ち寄り、自分の目で気に入った絵を買う」という、なんとも知的な気分にさせてくれる行為そのものにもすっかり酔ってしまい。。
東京に持って帰ると雰囲気が合わないかも?との不安もありましたが、持って帰ってみると、これがなかなかおしゃれ。

食事もうまいし、最高の旅行でした。

IMG_16042.jpg


続きを読む »