Lazy

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Cathedral Notre-Dame - Paris, France

ああ。。気がついたら1ヶ月以上更新してなくて、広告が。。。

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Maurizio Pollini / Beethovenfest Bonn

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Maurizio Pollini (マウリツィオ・ポリーニ)
1942年1月5日生まれ。イタリア、ミラノ出身。
第6回ショパン国際ピアノコンクール優勝。
ギリシア彫刻にも比せられる芸術性と透徹したピアニズムにより、他を圧する存在として、ピアノ界のトップの中にある。
一方で、「完璧すぎる」「冷たい」「機械的」などの批判も出たが、それらは彼の硬質なタッチに加え、決して感情におぼれず深く計算された高い完成度ゆえであろう。
��以上、Wikipediaより

彼のショパンのエチュードを、仕事中に繰り返し聴いていた時期がある。
当時は、クラシックを聴くのが楽しくて、ポリーニ以外にも、アシュケナージ、クリスチャン・ツィマーマン、ホロヴィッツ、ルーヴィンシュタイン、アラウ、アルゲリッチなどのCDをiPodに入れて聴いていた。
僕はアシュケナージが特に好きで、彼の弾くショパンの英雄ポロネーズに感動して、ピアノ教室に通おうかと考えたこともある。
一方で、演奏としての完成度は、間違いなくポリーニが一番だと思う。彼の演奏には、一切のムダがない。

そのポリーニが、ボンで開催されている「ベートーヴェンフェスト」の中でコンサートをやる、というので、早くからチケットをおさえて、この日を楽しみにしていた。
デュッセルドルフからボンまでは電車で1時間、ボンの中央駅から会場のベートーヴェンホールまでは、歩いて30分ちょっと。
ベートーヴェンホールは、それほど大きなホールではなく、会場としては東京のサントリーホールなどのほうが優れているように思う。
しかしそのぶん、ピアノが非常に近い。

会場に着いて、一番驚いたのは、客席のドイツ人が皆正装をしていること。
男性はビシッとしたスーツ、女性はドレス。
一応ジャケットは羽織っていたものの、ジーンズで会場入りした自分が若干恥ずかしくなる。
日本のコンサートでは、カジュアルな服装の人も多いのだけど・・・。

この日弾いたのは全部で4曲。もちろん全てベートーヴェン。
1. ピアノソナタ第4番 変ホ長調 作品7
2. ピアノソナタ第11番 変ロ長調 作品22
3. ピアノソナタ第17番 ニ短調 作品31-2("テンペスト")
4. ピアノソナタ第23番 ヘ短調 作品57("熱情")

Wikipediaにもあるように、ポリーニの演奏は、「機械的」なほどに完璧であり、であるがゆえに冷たいという印象があった(現に僕が聞いていたショパンのエチュードもそう感じられなくもなかった)が、この日の演奏でその印象は見事にくつがえされた。
歳を重ねたせいもあるのかもしれないが、白髪のピアニストは、感情表現豊かに音を奏で、時にはとても高齢とは思えないほど激しく鍵盤を叩く。
特に、最後の「熱情」は鬼気迫るすさまじいものがあり、第3楽章後半部分では、鳥肌が立ち、視線を逸らすこともできないほどの力のこもった演奏。
最後は観客総立ちでスタンディングオベーション。

聴きに来て本当によかった。
これを機に、またクラシック熱が再燃しそうである。

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Cote d'Azur - Day 2

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朝起きると、今日も快晴。ほんとに天気に恵まれた一週間だった。
場違い感の否めないモナコを早々に後にし、この日はマティスが手がけたロザリオ礼拝堂を見に山あいのヴァンスという村へ。

コート・ダジュールには、ヴァンスのように、断崖の上に家を密集させた村がいくつもある。
もともとは敵の侵入を防ぐためにこういう村の造り方をしたらしく、鷲が巣を作っているように見えることから、「鷲の巣村」と呼ばれるらしい。
多くの鷲の巣村は、中世の雰囲気が多く残っており、観光地としても非常に人気があるそうだ。
しかし、敵の侵入を防ぐように作り込まれた道路は、とても狭く、かつ迷路のように入り組んでおり、車で訪れるほうは大変である(まあ、モナコの道路もニースの道路も多かれ少なかれ似たようなものなので、コート・ダジュール自体運転は結構気を使うのかもしれない)。
慎重に運転すること1時間で、無事にヴァンスへ。
ロザリオ礼拝堂は、ヴァンスの村はずれにあった。

しかし。なんと!礼拝堂は午後2時からしか見学できないようだ。
到着したのは午前11時・・なんとも間抜けな話である。
とはいえ、2時まで待っていると午後の予定がくずれてしまう。
しかたないので、外観のみ見学することに。
とはいえ、マティスが「陽気さのあふれた教会。人々を幸せにする空間」と語ったロザリオ礼拝堂が、どんな場所、どんな陽気の下に立っているのかを知ることができただけでもよかった。
教会内はまたの機会にしよう。

午後はニースに戻り、そのマティスの作品がおさめられたマティス美術館と、シャガールの聖書をテーマにした作品が展示されているシャガール美術館へ。
この2つはどちらもすばらしかった。
結果的に、マティス美術館でロザリオ礼拝堂の内部のつくりを垣間みることもできた。
マティスもシャガールも、明るく、やさしさに包まれた作品が多い。
作風と土地は切り離せないものだということを実感。
僕は特にマティスが好きだ。

天気に恵まれ、それぞれの場所がそれぞれ魅力的だった今回の旅も明日で終了。
といっても、明日はデュッセルドルフに帰るのみ。
明日のデュッセルドルフの天気予報は雨。あさっても雨。
ああ。。

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��ロザリオ礼拝堂脇からみたヴァンス中心街)


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Cote d'Azur - Day 1

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Nice, France

バルセロナ発のイベリア航空機の搭乗客は、わずか8名だった。
小型の飛行機は、離陸後すぐに地中海へと抜けた。
窓の外の地中海は、朝日を浴びてきらきらと美しい。
1時間程度の短いフライトを終え、飛行機はニース・コート・ダジュール空港へ到着。

到着後、予約していたレンタカーを受け取りにカウンターへ。
なぜかわからないが、「車をアップグレードしておきました」と言われ、駐車場に向かうと、そこにはBMW525が!
すっかり上機嫌で、早速海岸沿いをドライブ。乗り心地もすこぶるいい。

コート・ダジュールは初めてだが、なるほどここの海は、一人で来ているのが残念でならないほど美しい。
海岸線を縁取る水色と、遠海の濃紺、そして真っ青に晴れ渡った空のグラデーションを見ると、パリで働くフランス人たちが、バカンスをここで過ごしたがる理由がよくわかる。
加えて、コート・ダジュールを他のビーチリゾートと決定的に違いづけているのは、ここには海だけでなく、山(丘?)もある、ということだろう。
ビーチからほんの数分で、豊かな緑と澄み切った空気あふれる高台に身をおくことができる。
高台からの眺めはこれまたすばらしい。

初日の今日は、ニースからイタリアと国境を接するマントンまで高原ドライブを楽しんだあと、モナコを見下ろす高台のホテルへ早々にチェックイン。
地中海を見下ろすバルコニーで「竜馬がゆく」を読みながら、のんびりとした時を過ごす。

しかしこのホテル、いくつかサービスがあるのだが、その内容にはびっくり。

1. チャータークルーズ
「ゲストの皆様には、エレガントなレーシングクルーザーをご予約頂けます。ハイスピードでコート・ダジュール屈指の海を駆け抜けませんか。ランチとクルー付き。2,000ユーロ。」

2. ヘリ&スーパーカー
「ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリが皆様をいつでもお迎えにあがります。ご希望があれば、ヘリやプライベートジェットもご用意させて頂きます。スタッフまでお申し付けください。」

などなど。
さすがはモナコ。僕などは場違いですね。。

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(Monaco, Night view)


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Barcelona it is also...

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バルセロナは、若く、エネルギッシュな街だった。
このエネルギーは、やはり照り輝く太陽にもたらされたものだろう。

ドイツに一年住んでわかったこと、それは、太陽はとてもとても大事だということだ。
精神的にきつい時期に、天気もひたすら曇天続きだと、気が狂いそうになる。
モルディブのDVDを買ってでも、TVを通してでも、太陽が見たいと思ったのは、人生で初めての経験だった。
太陽に恵まれた国、日本に生まれ育って、本当によかったと思う。

建築見学の合間に、ビーチバレーの世界大会を観戦。
なぜかブラジルの応援席に座って、サンバサンバの大応援団と一緒に熱狂する。
エネルギーの集まった場所にいると、エネルギーがもらえる。

地中海に面したビーチでは、大勢の若者が海水浴、日光浴を楽しんでいる。
ビーチ沿いのレストランで食べた海の幸のパエリャは絶品。

中世にタイムトリップをしたような旧市街では、結婚式を迎えた男女に出くわす。
この街ではエネルギーをたくさんもらった。
そして、すっかり日焼けした。

情熱のスペインを離れるのは寂しいけど、次の目的地も非常に楽しみである。
なんといっても、天気のいいところに行くので。

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Mies van der Rohe

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ガウディ建築群と並んで、バルセロナで訪れたいと思っていた場所、ミース・ファン・デル・ローエ記念館。

「1929年のバルセロナ万国博覧会で建設されたドイツ館、バルセロナ・パヴィリオンは、鉄とガラスで構成され、大理石の壁を配したもの。モダニズムの空間を実現したものとして建築史上有名。また、同館のためにミースがデザインしたバルセロナ・チェアは、モダンデザインの傑作として知られる。パヴィリオンは博覧会終了後に取り壊されたが、 1986年に同じ場所に復元され、ミース・ファン・デル・ローエ記念館となっている。」
��以上Wikipediaより抜粋)

記念館は、上述のとおり、鉄とガラスによる非常にシンプルな構成で、館内にはバルセロナ・チェアがこれまた簡潔に置かれている。
"Less is more"とはミースの代名詞の1つだが、直線的で、シンプルで、無駄のない造りは、ガウディに代表されるような、バルセロナの随所に見られるモデルニスモ建築と対極をなしている。
華やかで陽気なスペインと、質実剛健のドイツとのお国柄が出ているようでおもしろい。

ミースといえば、"God is in the detail(神は細部に宿る)"という格言もよく用いたことで知られている。
僕はこの言葉が好きだ。この言葉は、極めて日本人的だと思うのだ。

そもそも日本神話自体、「神は細部に宿る」をそのまま神話にしたようなものだ。
イザナギとイザナミが産み落とした八百万の神々は、火の神、水の神にはじまり、台所の神や裏切りの神などに至るまで、あらゆる場所や機能の神がいる。
日本人は、太古の昔から、神は細部にも宿っていると考えてきたのだ。

現在でも、例えば日本の製造業は、表からは見えない部分までも品質にこだわり、特には過剰品質と揶揄されるほどである。
サービス業でも、かゆいところに手が届くどころか、かゆみどめを塗ってくれるほどのホスピタリティの高さは、多くの外国人が日本を好きになる最大の魅力になっている。
こうした細部へのこだわりは、やはり「神は細部に宿る」との発想から来ているのだと思う。

極めて日本的な価値観を、西欧の、しかも建築・デザイン分野の偉人が尊んでいた、というのは非常に興味深い。
"God is in the detail"の究極は、たしかにデザインなのかもしれない。
これからの日本が、「デザイン力」を競争力の源泉にしたならば、世界でも極めて高いアイデンティティを持った国になれるのではないか。

デザイン力とは、単にアーティスティックなデザインだけを言うのではない。
細部をデザインするというのは、当然、先端技術開発に取り組むことでもある。
技術開発は、万にひとつの世界であり、ほんの小さな違いがただの失敗を生んだり、未来への一歩に繋がったりする。
また、前述の通り、きめ細やかなサービスを徹底することも、細部のデザイン力である。

そーんなことをぼんやりと考えられるくらい、ミースの記念館は、ゆったりとした時が流れていた。

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Antoni Gaudi Works III

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��グエル邸)

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��グエル公園)

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��グエル公園)


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Antoni Gaudi Works II

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��サグラダ・ファミリア聖堂)

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��カサ・バトリョ 中庭に面した部屋)

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��カサ・バトリョ 夜)


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Antoni Gaudi Works I

ガウディを追いかけ続けた2日間であった。
今回の旅で見学した彼の作品の数々。

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��コロニア・グエル教会 外観)

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��コロニア・グエル教会 礼拝堂)

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��カサ・ミラ)

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��カサ・ミラ 夜)

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Casa Batllo

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カサ・バトリョは、ガウディが「海」をテーマに手がけた住宅だそうだ。

入館料が17.5ユーロと信じられない高額なので、当初は入るつもりはなかったのだが、みんな考えることは同じようで、直前に外から見学したカサ・ミラは長い行列ができてたのに対し、こちらは5分もすれば入れそう。
というわけで、入館。

室内は、通りから見上げる以上に奥行きがあり、とにかく広い。
また、外観だけでなく内装の細部に至るまで、とにかく曲線を多用している。
これは全てガウディ自らが手がけたそうな。
そして、住宅が密集しているエリアにもかかわらず、どの部屋も自然光がふり注いでいて非常に明るい。
やはりガウディは、太陽を愛し、陽気を愛した、カタルーニャの人なのだと感じる。

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Sagrada Familia (Passion facade)

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こちらは西側の「受難のファサード」
イエスの死と復活がテーマのため、彫刻自体も無機質で、「生誕のファサード」と対照的。

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Sagrada Familia (Nativity facade)

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「生誕のファサード」の驚くほどのディテール。
写真にしてみると、絵画なんじゃないかと思えるほど表情や動作が豊か。

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Sagrada Familia

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「サグラダ・ファミリアの中にはエレベーターがあって、塔に上れるんだけど、ものすごく混むから朝早く行ったほうがいいよ。」とは、以前バルセロナを旅行したことのある妻からのアドバイス。
というわけで、バルセロナ観光の第一弾は、サグラダ・ファミリアへ。

幸い、サグラダ・ファミリアの目の前のホテルに泊まっているので、徒歩5分もかからない。
9:00開館だけど、その頃に既に列ができてたら嫌だなと思い、8:45には入り口に到着。
観光客は数人いる程度で、列すらできていない。
9:00直前にはそれなりの列ができたけど、早めに並んでいたのですんなりと入場。

入り口を入ると、早速エレベーター乗り場があり、みんなそこに並んでいる。
なるほどエレベーターは7人乗りのものが1つしかなく、早速行列ができはじめているが、急いで並んだので5分程度で乗ることができた。

塔の上からは、彫刻のディテールが見れたり、バルセロナ市街が一望できたりする。
塔の先端にはパイナップルなどの果物の彫刻があしらわれているが、これはガウディの、「これは水兵たちがバルセロナに帰港するとき、海上から最初に見えるものだ。天国と地上が一つになったように思えないか?燦爛たる歓迎だ!」という思いから生まれたらしい。
太陽が照り輝くバルセロナらしい、陽気な世界観である。

美しく設計された螺旋階段を下り、地上に戻った頃には、エレベーターは40分待ちの行列になっていた。
妻のアドバイスに感謝。
聖堂内はまだまだ建設中そのものだが、窓に張り巡らされたステンドグラスから差し込む光が実に色鮮やかに空間を演出している。
後ほどカサ・バトリョも見学して感じたのだが、ガウディはいかに美しく室内に光を取り込むかに腐心していたのではないかと思う。

聖堂を出て、「生誕のファサード」を見たときの感動は、思わず声が出てしまうほどだった。
これほど圧倒的なスケールで、これほど精密に彫りこまれた彫刻を見たことがない。
これを見られただけでも、バルセロナに来た甲斐があったと思える。

しばしみとれながら右に左に歩いていると、なんとこちら側にもエレベーターがある。
しかも、個人入場口と反対側のせいか、ほとんど人が並んでいない。
鐘楼が完成している分、こっち側のほうが彫刻の細かさがよくわかるだろう、ということで、この日二度目のエレベーターに乗り込む。

結果は期待通り。
地上から見上げていた「生誕のファサード」の彫刻の数々を、目の前で見ることができる。
彫刻はどれも芸が細かく、地上からでは見つけられなかった、ガウディの繊細な建築観を感じられる。
地上に降りた頃も、東側エレベーターは相変わらず人が少なかったが、個人的には東側エレベーターのほうが断然価値があるように思う。

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Vueling

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ゲートが3つしかない小さなグラナダ空港から、Vuelingという、イベリア航空系列の格安航空会社の飛行機に乗り込む。
格安エアラインらしく、機内での飲食は有料。
ただ、これがなかなかのサービスで、ガス入りの水をオーダーすると、コップに氷とレモンを入れて出してくれる。
大手航空会社のように無料にはできなくとも、逆にお金をとる分、大手以上のサービスをしようという思いがあってのことなのだろうか。
格安エアラインだからといってなんでもチープに走らない、という戦略をとる会社も多いと聞いていたが、実際のサービスを目の当たりにするとなるほどなかなか気分がいい。

グラナダを飛び立った飛行機は、アンダルシアの岩山を越え、一度地中海へと抜ける。
雲一つない快晴で、青い空と青い海のグラデーションがすばらしい。
一度地中海に抜けた飛行機は、目的地に近づくと滑走路に向けて大きく旋回。
1時間程度のフライトだが、着陸時にはすっかり夕焼け空。
黄金色に輝く街並を横目に、カタルーニャの州都バルセロナに無事着陸。
景色にも恵まれたフライトで大満足。

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Alhambra

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Palacio de la Alhambra from Albayzin - Granda, Spain

「地球の歩き方」によると、アルハンブラ宮殿は、イベリア半島におけるイスラム最後の楽園として繁栄を極め、1492年のグラナダ陥落によって宮殿を落ちた最後の王ムハンマド11世は、丘の上から宮殿を視界に収め、惜別の涙を流したのだそうだ。

アルハンブラ宮殿は、入場制限があり、チケットが午前中で売り切れることも多いらしい。
チケット毎にナスル朝宮殿への入館時間も決められており、決められた時間に行かないと入れなくなるという。
今回は、事前にインターネットでチケットを予約していたので、11時くらいにのんびりと入り口へ。
入り口は既に長蛇の列だが、ネットで予約をしていた人は予約券売機で簡単にチケットを手に入れられる。
ヨーロッパを旅していていつも不思議なのは、バス乗り場でも鉄道駅でも空港でも、自動券売機を使ったり、インターネットでチケットを買ったりせずに、皆窓口に並ぶのを好むことである。
保守・伝統の欧州よろしく、機械やインターネットは信用できない、ということなのだろうか。
いずれにせよ、すんなりと城内へ。

城内は意外と広い。
僕のチケットのナスル朝宮殿への入館時間は13時だったので、それまでは景色のいいところを探して読書でもしてようと思っていたのだが、サンタマリア教会、カルロス5世宮殿、アルカサバと見て回ると、あっという間に13時に。
言葉も通じない(英語もほとんど通じない)以上、遅れてはいけないとばかりにナスル朝宮殿へ。

ナスル朝宮殿は、言葉にならないほど美しかった。
美しさに息をのむとはこのことを言うのだろう。
扉をあけるために圧倒的かつ精密な壁面装飾と空間演出に目を奪われ、その場に立ち尽くしてしまう。
まさにアラビアンナイトの世界。まさに夢の楽園。
冒頭のムハンマド11世が惜別の涙を流すのは無理もない。
イスラム文化といえば、以前訪れたイスタンブールのブルーモスクも美しかったが、完成度の高さでいえば、アルハンブラ宮殿のほうが格上だろう。
1時間ほど楽園を堪能し、宮殿をあとにする。

これで終わりかと思いきや、城内にはさらにヘネラリフェという、夏の別荘があるという。
ここがまたすばらしい。
ナスル朝宮殿、アルカサバ、カルロス5世宮殿などを一望できるばかりか、その先のグラナダ市街も一望できる。
ヘネラリフェ自体は花と緑で彩られた庭園を取り込んだつくりになっており、夏の夕暮れにここから眺める夕日は最高に美しいのだろう。

時計は既に15時を回っており、入場から早くも4時間。
広い宮殿見学もこれで一段落。
眺めのよいベンチで、ファンタレモンを飲みながら、しばしまどろんでいると、16時に。
夢のような時間を惜しみつつ、ホテルで荷物をピックアップしてグラナダ空港へ。
24時間程度の滞在だったが、グラナダでは最高の時間を過ごすことができた。

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��ナスル朝宮殿 ライオンの中庭)

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��ナスル朝宮殿 二姉妹の間のファサード)

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��ヘネラリフェからの眺め)


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Hola! Andalucia

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Av. San Sebastian - Mijas, Spain

早朝6時のフライトでマラガへ。
コスタ・デル・ソルの海岸線を電車とバスで走り、最初に向かったのはミハス。
真っ白の街並はサントリーニ島を彷彿とさせるが、こっちはもうすこし地元の人の生活感が漂っている。
家の中から聞こえてくる陽気なスペイン語と、アンダルシアの大地を照らす太陽、コスタ・デル・ソルから吹き上がってくる海風で、たちまちリゾート気分になれる。

アンダルシアがどういう場所なのか、いまいち知らずにやってきたが、すばらしい場所である。
西欧の都市特有のキリスト教的街並にすっかり慣れ、むしろ若干飽きてき始めていたこともあり、イスラム教の世界観が融合した街並が異国情緒を醸し出してくれる。
「旅行に来た」という感覚を味わえるのが、何より嬉しい。

すっかり気分がよくしながらミハスを後にし、今回の旅のハイライトの1つであるグラナダへ。
明日は、念願のアルハンブラ宮殿です。

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Granada, Spain


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Holiday

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Cathedral Notre-Dame - Paris, France

突然ですが、明日から1週間休暇をもらえることになりました。
南に行こうと思います。

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Paris


Centre Pompidou - Paris, France

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Palais du Louvre - Paris, France

心なしか、夜景撮影が上達した気がする。

…ま、パリは、素材がいいのでね。気のせいでしょう。

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家事やります

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「色物・白物は分別すること!
色物洗剤:紫のキャップ、白物洗剤:緑のキャップ
左の口に洗剤+カルゴン、真中の口に柔軟材を入れる
電源(An/Aus)を入れてSchuleudernを押したらノブを回してSynthetikを選ぶ
Startを押したら1時間28分後に終了の音楽がなる
電源を切って洗濯物を取り出して干しましょう♪」

というのは、ロンドンでフラワーアレンジメントの勉強をしている妻が、旅立つ前に書き置きしてくれたメモの、「洗濯機の使い方」の欄の内容。

このとおりにやると、たしかにできた!
ドイツに一年以上住んでいながら、洗濯を自分でやったのはこれが初めてということに自分でも驚く。
そして、たとえ洗濯機を回すだけでも、何かができるようになるのは、うれしい。

ところで、メモには、「洗濯機の使い方」のほかに、
「お米の炊き方」
「洗浄器の使い方」
「アイロンの使い方」
「電子レンジの使い方」
などが書かれている。

項目を見るだけで、僕が家事を一年間何一つやってないことがよくわかる。
さらに、「アイロンの使い方」を読んでみる。

「水はブリタを使ってね
一番最後まで回してアイロンする」

一体僕はどれだけ何もできない男だと思われてるのだろうか…。
水はブリタ、はたしかに知らなかったけど、二行目のやつはさすがにできるぞ。
ああ…こんなことまで手取り足取りメモを残さないと、と思われるほど、僕は手のかかる夫なのか。。

僕の妹の旦那さんは、仕事も忙しいのに家事にも協力的で、すばらしい旦那さんのようだ。
彼のまねはできなくても、もう少し頑張ろうと、毎日このメモをみるたびに思うのである。

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Zollverein

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エッセンのツォルフェライン炭鉱跡は、「世界で最も美しい炭鉱」と評され、ユネスコの世界文化遺産にも登録されている巨大な炭鉱遺産群である。
網の目のように張り巡らされている鉄骨は、一見無機質でありながら、整然とした機能美で全体の調和が保たれており、複雑でありながら複雑さを感じさせない。

炭鉱といえば、僕の生まれ育った街も炭鉱の街だった。
僕が生まれたときには既に操業停止していたが、小学生の頃、授業の一環で石炭資料館を訪れたことがある。
石炭を掘りにいった坑夫が、事故で炭坑から出られなくなり、光の当たらない炭坑の中で死んでゆく姿を描いた絵を見て、ものすごい衝撃を受けたのを今でも覚えている。
こんなにつらく、恐ろしい世界が、自分の生まれた街にあったのだという事実は、頭の中で過去の話として処理しきれるものではなかった。
ある日間違って炭坑に迷い込み、僕も出られなくなり、死んでしまうのではないかと怯え、両親に「炭坑に迷い込むことはないのか」と聞いたりもした。

ツォルフェラインも、「炭坑」という響きが持つ、暗く、もの悲しい雰囲気をまとっているように感じたのは、決して偶然ではあるまい。
きっとここも、重い歴史を抱えているのだ。

その高いデザイン性が買われてか、ツォルフェラインの一部の施設は、ドイツが誇る世界的なデザインアワードであるred dot design awardの美術館として活用されている。
過去の遺産である炭坑施設と未来的なデザインプロダクトの調和はこれまた見事としか言いようのない空間だったが、今回ばかりは過去の遺産に釘付けであった。

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