アルケミスト

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
(1997/02)
パウロ コエーリョ

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ページをめくるのにこんなに時間がかかった本は初めてかもしれない。
どのページにも含蓄あり、考えさせられる。

もっと早く出会っていれば、と思う反面、今出会ったからいい出会いになったのだとも思う。
子どもの頃読んでたら、おもしろい本で終わるんだろう。昔は夢を追うことの難しさを知らなかった。
なにしろ、環境が変わるたびに何度も読み返したいと思えるすばらしい本。

��以下、備忘録)
「これは、あるとき野原で見つけたものだ。これをおまえに残す遺産の一部にしようと思っていた。しかし、これで羊を買いなさい。そして野原に行きなさい。いつかおまえにも、私たちの田舎が一番良い場所で、ここの女性が一番美しいとわかるだろう」

「まだ若い頃は、すべてがはっきりしていて、すべてが可能だ。夢を見ることも、自分の人生に起こってほしいすべてのことにあこがれることも、恐れない。ところが、時がたつうちに、不思議な力が、自分の運命を実現することは不可能だと、彼らに思い込ませ始めるのだ」

「結局、人は自分の運命より、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかという方が、もっと大切になってしまうのだ」

「まだ手に入れていないものをあげると約束して始めたのでは、おまえはそれを手に入れたいとは思わなくなるだろうね」

「幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ」

「僕は他の人と同じなんだ。本当に起こっていることではなく、自分が見たいように世の中を見ていたのだ」

「おまえさんはわしにとって、本当に恵みだった。今まで見えなかったものが、今はわかるようになった。恵みを無視すると、それが災いになるということだ。わしは人生にこれ以上、何も望んでいない。しかし、おまえはわしに、今まで知らなかった富と世界を見せてくれた。今、それが見えるようになり、しかも、自分の限りない可能性に気がついてしまった。そしておまえが来る前よりも、わしはだんだんと不幸になってゆくような気がする。なぜなら、自分はもっとできるとわかっているのに、わしはそれをやる気がないからだ」

「僕はいつでも戻って羊飼いになることができる。僕は羊の世話の仕方を知っているし、それを忘れることはない。しかし、エジプトのピラミッドに行くチャンスは二度とはないだろう」

「決心するということは、まるで、急流に飛び込んで、そのときには夢にも思わなかった場所に連れてゆかれるようなものなのだ」

「私たちは持っているもの、それが命であれ、所有物であれ、土地であれ、それを失うことを恐れています。しかし、自分の人生の物語と世界の歴史が、同じ者の手によって書かれていると知った時、そんな恐れは消えてしまうのです」

「錬金術師は何年もずっと、実験室で金属を純化する火を見て暮らしたのだ。彼らはあまり長い時間、火のそばで過ごしたので、次第次第に世の中の虚飾を捨て去ってしまった。彼らは、金属を純化することは自分自身を純化することだと発見したのだよ」

「人は誰でも、その人その人の学び方がある。彼のやり方は僕とは同じではなく、僕のやり方は、彼のやり方と同じではない。でも僕たちは二人とも、自分の運命を探求しているのだ。だからそのことで僕は彼を尊敬している」

「彼らは自分たちの運命の宝物だけを求めていて、実際に運命を生きたいとは思っていないのだ」

「夢を追求してゆくと、おまえが今までに得たものをすべて失うかもしれないと、心は恐れているのだ」

「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を追求している時は、心は決して傷つかない。それは、追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ」

「僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ。本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。それは、羊飼いには不可能だと思えることに挑戦する勇気がなかったならば、決して発見することができなかったものだった」

「おまえが自分の内にすばらしい宝物を持っていて、そのことを他の人に話したとしても、めったに信じてもらえないものなのだよ」

「自分の運命を生きてさえいれば、知る必要のあるすべてのことを、人は知っている。しかし夢の実現を不可能にするものが、たった一つだけある。それは失敗するのではないかという恐れだ」

「もし、第六日目がなかったら、人間は存在しなかったでしょう。銅はずっと銅のままだったでしょう。そして、鉛はずっと鉛のままだったでしょう。すべてのものが、それぞれの運命を持っているということは、本当です。しかし、その運命はいつか実現します。そうなったら、それぞれのものは自分自身をより良いものへと変えて、新しい運命を得なければなりません」

「人生は運命を追求する者にとっては、本当に寛大だ」

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