パリでのもう1つの至福の時間は、オランジュリー美術館。
地上階は2つの部屋から成り、そのどちらもがモネの「睡蓮」の部屋である。
睡蓮は抽象度が極めて高く、ものによっては一見しただけでは何を描いているのかわからない。
過去に一度睡蓮のパズルを買ったものの、全くうまくいかずギブアップした。
1つ1つのピースではなく、全体を眺めなければその姿を捉えることができないのは本物も同じ、というか本物のほうがなおさらである。
そのぶん、ひとたび全体をうまく捉えられたときは、一気に作品の世界に引きづりこまれ、目の前に睡蓮があるかのような感覚を味わえるのもこの絵が魅力的な理由の1つなのだろうと思う。
作品と一体になった時に味わう静寂と時間の流れは、あまりにも非日常的かつ無我である。
午前中は人も少なく、本当に静寂を味わうことができる。
その瞬間のためにここに何度も訪れる人も多いのではないか、そう感じさせられる美術館だった。
今回はオランジュリーに加え、オルセー美術館も鑑賞。
こっちも本やTVでしか見たことのなかった作品が数多く展示されていて感動。
0 コメント:
コメントを投稿