GO / Lost In Translation

LIT


日本にまつわる映画を2本観た。
1つは行定勲監督の「GO」、こちらは日本映画フェアをやっていた映画館で。
もう1つはソフィア・コッポラ監督の「Lost In Translation」、こちらは日本にいる頃に映画館で観たけど、再度DVDで。

ヨーロッパに来て日本映画を観るのは、日本で観るのとだいぶ趣が異なる。

「GO」はいい映画だったが、映画館では、我々からすれば笑うところでもなんでもない普通のシーンで、ドイツ人が大爆笑していることが多々あった。
途中から映画の内容より、ドイツ人の笑いのツボが気になり始める。
彼らからすれば、この映画の舞台自体が非日常のエンターテインメントなのだろう。
日本人には現実世界に模したフィクションでも、ドイツ人には(極端だが)パイレーツオブカリビアンと同じなのかもしれない。
日本人の俳優の演技自体も新鮮なようだ。とにかく一挙手一投足に笑う。
結局、我々が思っている以上に、ヨーロッパにとって、日本というのは遠い国なのだということをあらためて実感。

そして「Lost In Translation」。
日本で観たときの感想は、一言で言えば「外国人からは日本はこういうふうに見えるのか、あはは」という感じ。
「GO」を観ているドイツ人に近い。
しかし、今回は全く違った。
なんといっても、僕は「Lost In Translation」の世界を、今現実に味わっている。
全てが現実、全てが実感として、理解できる。共感できる。
レストランでメニューが全く読めなくて途方にくれる気持ちもわかるし、病院のシーンなんかも、僕が先日ベルリンで体験したのと全く同じだ。
そう思いながら観ていると、音楽や映像が、なんと心情をうまく表現していることか!とあらためて感動。

余談だけど、Lost In Translationを観て、日本に旅行したいという思いに駆られたヨーロッパ人は多いらしい。
やっぱり非日常感があるのだろう。
そして、友人のドイツ人が言うには、映画の舞台になった渋谷のカラオケ館(601号室!)に連れて行くと大喜びするらしい。
これから日本で外国人を接待するときはここに決まり。

0 コメント:

コメントを投稿