就職先人気企業ランキング

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産業という面では、日本とドイツは鏡の国だと思うことが多い。

どちらも製造業が中心で、最先端の技術力や製品品質の高さがウリ。
その分価格も高く、「安くてそれなり」の製品で世界を席巻する中国や台湾と一線を画している。
デザインは質実剛健を好み、色気があって官能的だけどすぐに壊れる(そこがまた色気と言い張る)イタリア製品とも毛色が違う。

日系メーカーが欧州でなかなか基盤を作れない最大の理由はそこで、欧州は同じようなスペックの製品を同じような価格で提供するドイツメーカーのホームグラウンドだからなのだ。
同様に、ドイツメーカーが世界で唯一と言っていいほど攻略できないのが日本。
まさに製造業にとっては鏡の国。
一方のサービス業は、世界最高のホスピタリティを誇る日本と、ホスピタリティを微塵も感じさせないドイツとで、180度違うのだけど。

そんなことを思ってると、つい最近「Manager」というドイツで著名なビジネス雑誌で、学生の就職先人気企業ランキングを発見。
TOP10は↓のとおり。

1. ポルシェ(自動車)
2. BMW(自動車)
3. アウディ(自動車)
4. プライスウォータークーパーズ(金融)
5. ルフトハンザドイツ航空(運輸)
6. アーンストヤング(金融)
7. KPMG(金融)
8. アディダス(消費財)
9. ドイチェバンク(金融)
10. ダイムラー(自動車)

見ての通り、自動車と金融が人気を二分している。
特にポルシェ、BMW、アウディ、ダイムラー(ベンツ)の高級車四天王は毎年人気ランキング上位の常連だとか。

一方で日本の就職先人気企業ランキング(リクルート発表)を見ると、

1. 全日本空輸(運輸)
2. 三菱東京UFJ銀行(金融)
3. みずほフィナンシャルグループ(金融)
4. 東海旅客鉄道(運輸)
5. 三井住友銀行(金融)
6. トヨタ自動車(自動車)
7. バンダイ(消費財)
8. ソニー(電機)
9. 東日本旅客鉄道(運輸)
9. 松下電器産業(電機)

なんと運輸と金融が大人気。
製造業は電機、自動車、消費財がぱらぱらとランクインしているけど、TOP5には1社も入っていない!
もちろんランキングは景気によって大きく変わるけど、このほかで日本で人気があるのは、商社とか広告代理店とか、製造業が上位独占!という話はあまり聞かない気がする。
強い製造業に支えられてきた日本とドイツだけど、日本での製造業の人気が低さには、将来の一抹の不安を感じてしまう。

まあ・・・ドイツも自動車だけなんだけどね。
しかも自動車も、プレミアムカーのイメージに引っ張られてる様子が強い(現にフォルクスワーゲンはランク外)。
結局学生はわかりやすいイメージの企業を選ぶ、というだけなのかもしれないけど、そうだとしても、優秀な学生がこぞって自動車に集まるドイツに、日本の自動車メーカーがどう対抗するのか。
特にレクサスには、日本代表としてがんばってもらいたい。

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