リヨンみやげのもう1冊は、この写真集。
「Le Japon dans la lanterne magique 1897」、直訳すると「1897年、不思議な提灯の中の日本」。
時は1897年。中国在住のフランス人Charles Vapereauは、母国への帰国を前に、アジアでの思い出に、妻と日本へ旅行する。
1897年=明治30年。
江戸幕府から明治政府に政治体制がうつり、文明開化が進む。
富国強兵を唱え、徐々に欧米列国との不平等条約に対する不満も高まり、1894年にはイギリスの治外法権を撤廃、日清戦争にも突入し、列強の仲間入りを目指していた最中である。
この写真集は、そんな時期の日本の記録。
赤羽
江ノ島
日光
僕自身、この時代の写真を、白黒ではなく、カラーで見たのはたぶん初めてだし、いわゆる報道写真ではなく、日常生活のスナップショットを見たのも初めてだと思う。
そういう意味ですごく貴重な気がする。
自分の母国の過去の写真を、日本から10,000km離れたフランスで見つけたのも何かの縁を感じる。
おそらく、日本でこの本を見つけても、僕は手に取らなかっただろう。
あるはずのないヨーロッパの日常の中に、日本でも知り得なかった日本を見つけ出したということが、なんともおもしろい。
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