「つらぬく」経営

「つらぬく」経営 世界で評価される小さな会社・池内タオルの真髄「つらぬく」経営 世界で評価される小さな会社・池内タオルの真髄
(2008/11/28)
池内計司

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「風で織るタオル」で有名な池内タオルの再生記。

「オーガニックコットン」という言葉は聞いたことがあったし、それが赤ちゃんが使っても大丈夫なほど体にいい、ということはなんとなく知っていた。
ただ、オーガニックコットンが何者なのか、普通のタオルとは何が違うのかについて、恥ずかしながら正しく理解していたわけではない。
この本を読んで、タオル、そしてタオルをとりまく環境問題のことがよくわかった。

最近つくづく感じるのだが、僕の中、もしくは僕だけじゃないのかもしれないけど、「環境問題は大切だ」「環境にやさしい」などと言った言葉が、完全に独り歩きしてしまっている。
そもそも現在どのような環境問題があるのかを知らないままに、「環境にやさしい」というフレーズを信じ、商品を買っている。
何がどう環境にいいのか、実はよくわかっていないということが多い。
「環境マーケティング」などと名づけられた、表層的で実体のない活動に世論がおどらされ、単にマーケティングの得意な企業が「環境にやさしい企業TOP50」なんかに名前を連ねていたとしても、その逆に本当に環境を大切にしている企業が埋もれたままになっていたとしても、僕は気づかないだろう。

同じように、「環境に悪い」「からだに悪い」というものも、なぜそうなのか、本当にそうなのかを正しく理解していない。
「遺伝子組み換え大豆を使ってるものは食べたくないね」とマスコミは煽る。
しかし、遺伝子組み換えの何が悪いかはよくわかっていない。
神への冒涜、生態系に対する過度な干渉などの非科学的な理由でこれを排除するのはもってのほかである。
遺伝子組み換えが、地球が抱える食糧不足問題への1つの有力な解決策となり得ることを忘れてはならない。

また、ひとくちに「遺伝子組み換え大豆」と言っても、遺伝子組み換え技術もさまざまある。
タネをまたいだ遺伝子組み換えと1つのタネが持つ遺伝子配列の並び替えでは意味合いも違う。
同じような例で言えば、商品(例えば納豆)の一部が遺伝子組み換え大豆なのと、遺伝子組み換え大豆のみで作られた納豆とでも全然違う。

事実を冷静に見極めるアタマを持たなければならない。
無知のままでは安易な前提を受け入れやすく、読書は無知の罠から抜け出す1つの有効な手立てである。
世界を知るための読書を増やさなければならない。

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