Amsterdam




かつて海上帝国として黄金時代を築いたオランダの首都にふさわしく、アムステルダムは水の都である。
街は無数の運河が網目状に走り、人々は水上ボートに乗って食事や酒を楽しむ。
その風景はヴェネツィアを彷彿とさせ、やはりというべきか、「北のヴェネツィア」などという通称もあるそうだ。

まずはアムステルダム国立美術館に足を運ぶ。
レンブラントやフェルメールの絵画はもちろんすばらしいが(特に僕はフェルメールが大好きだ)、ここでも目を引くのは、海軍黄金時代を描いた作品や展示品が圧倒的に多いこと。
デュッセルドルフからたった2時間の距離だが、ここは異国であり、違う歴史の流れを感じる。

しかし、アムステルダムの雰囲気作りに最も貢献していて、この街を異国であると僕に知らしめたのは、こうした海上帝国の名残ではない。
街中に点在する無数の中華料理店、西欧では珍しく多彩な色の看板が乱立した街並、ここは中国、いや中国以上だと感じるほどの自転車の交通量(いやほんと)、そして、「コーヒーショップ」が醸し出す退廃的な空気・・・。

そう、この街のあちこちからは、アジアの空気が醸し出されている。
否、もしかすると、アジアの空気の源流がアムステルダムなのかもしれない。
とにかく、アムステルダムは明らかにこれまで訪れた西欧の大都市とは異質である。

EUは決して「単一」ではない、とあらためて思い知らされる。
たった電車で2時間移動するだけでこれほど違うのだ。
この超国家連合の舵取りは、外から見るほど楽ではないに違いない。

夕食をとったインドネシア料理店のサービスにアジア流の高いホスピタリティを感じ、東京駅そっくりさんのアムステルダム中央駅に辿り着いたところで滞在は終了。
郊外に一泊し、翌日のキューケンホフに備える。


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