連休中は6つの写真展と国際的な写真の見本市であるTokyo Photo 2011に行きました。 野口里佳「光は未来へ届く」(IZU PHOTO MUSEUM) 「小さな宇宙と大きな宇宙、微視と巨視を行き来する独自の視点で、野口里佳は不思議さに溢れたこの世界を写しとります」 なるほど彼女の写真は被写体との距離感が独特。 被写体に親しみを持っているわけでもなく、かといって距離をおいているような冷たさはなく、遠くから被写体が身を置く世界を温かく包むような写真。 光をすごく大切にしているんだと思いますが、光に全てを語らせるわけではない。 こういう写真を撮るのは難しいなぁ。。自分と世界との向き合い方だと思うんですよね、この撮りかたって。 「写真から表現意図が読み取れる写真」と「そうでない(読み取りづらい)写真」とに分類するとすると、野口里佳は後者だと思う。 ロバート・フランク「Flower Is」(Gallery Bauhaus) 「The Americans」が超有名なロバート・フランク。実際の写真展で見たのははじめて。 以前に、書店で「London/Wales」という写真集を見たことがありますが、その中に作品を選ぶ前のベタ焼きの写真があって、それがすごくおもしろかったです。 プロの写真家がどういう撮り方をして、そこからどうやって作品を選んでいるのか、少し垣間見ることができますから。 今回の写真展でも、ベタ焼きの写真が、自動車工場のとパリのとそれぞれあって、それがよかったです。 川鍋祥子「空に…」(アップフィールドギャラリー) すごく感じのいいギャラリー、すごく感じのいい写真家さんでした。 写真も女性らしい視点だな、と。野口里佳はコンセプチュアルですが、川鍋祥子さんの写真は主題がはっきりしてたように思います。 テーマが祭りだったから、というのもあるのでしょうが。 最近たくさん写真みるので、男性的な写真とか女性的な写真とかってのは、やっぱりあるなぁと思います。 橋口譲二「Hof ベルリンの記憶」(銀座ニコンサロン) ベルリンはベルリンでも、旧東ベルリンの写真。 ドイツに住んでいた頃、ドイツ人たちが「彼は旧東の人間だから…」と話すのを聞いたことが何度かあり、統一から20年近くたってもまだ名残があるものかと驚きましたが、実際に東ベルリンやドレスデンなどの旧東ドイツの街は今でも当時の面影がはっきりと残っています。 画一的な集合住宅、シンプルで無機質なデザイン、大戦での爆撃と今もなお修復されない爪跡…そういった東ドイツのキャラクターが写し撮られた写真展でした。 海外国内問わず、いろいろな街をこれからも訪れて写真を撮りたいと思ってますが、単にきれいな写真を撮るのではなく、その街のキャラクターを想起させる写真が撮りたいな、と再認識。 宇野亜喜良 沢渡朔 立木義浩 寺山修司 森山大道「SCANDAL2」(BLD GALLERY) 時間がなくてほとんど見れませんでした。残念。。 長島有里枝「What I was supposed to see and what I saw」(1223現代絵画) 有名な方なので楽しみだったんですが。。ちょっとよくわかりませんでした。 花ってモチーフとして解釈が難しい気がしますね。 もう少し写真の数があれば違ったのかもしれませんが…あれで500円か…うーーーん。。 Tokyo Photo 2011(東京ミッドタウン) 写真の見本市ということで、日本の著名なギャラリーがブースを構え、海外のバイヤーが買い付けをするシーンがちらほら。 写真ってしっかりアートとして取引されているんだと実感。まだまだ規模は小さいのかもしれませんが。。 河西春奈さんという写真家の作品が好きでした。 こういう規模の大きいイベントもいいですが、ちょっと見きれないですね。。一枚一枚見るのに頭使うし。。 まさにPhotography weekend。全部つきあってくれた妻よ、ありがとう。
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