「目線」の違い

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日独の差ではないのだが、ドイツで働くようになって大きく変わったことが1つある。
クライアントと会話をするときの、「トピックのレベル感の違い」とでもいうのだろうか。

東京にいた頃は、トップマネジメントとの仕事もあるものの、どちらかといえばクライアントのミドルマネジメントと仕事をすることが多かった。

そのため、プロジェクトの性質は、ミドルマネジメントが抱える現場レベル、オペレーションレベルでのトピックが多く、会話の内容は、必然的に社内的だったり、業界内だったりの話題が多い。
もちろん、他業界が話題に上ることもあるが、それは例えば、「20代女性へのアプローチとして、他業界でうまくいっている例ってありますか」など、やはり自身の業務にひもづいていたように思う。

一方で、ドイツに来てからは、そもそも日本人で駐在しているのが、現地法人の社長や役員に限られるということもあり、トップマネジメントと仕事をすることがほとんどである。
加えて、弊社ドイツオフィス自体も、元来トップマネジメント向けの仕事が多い。

トップマネジメントの関心は、経済だけでなく政治や社会問題、文化など、非常に多岐に亘る。
会話の中で投げかけられるトピックも目線の高いものが多い。

「世界は金融危機は何年くらいで立ち直ると思いますか?」
「オバマが大統領になって、ヨーロッパにはどんな影響がありますか?」
「日本の中で、究極的に世界で勝ち抜ける業種ってどこでしょうね?」
「EUが温暖化/エネルギー対策に熱心なのは、結局はロシアとのパイプラインへの依存を早く断ち切りたいからですかね?」

といった質問がぽんぽんと飛んでくる。
職業柄「さあ。。」というわけにもいかないので、最近は以前より視野を広げて情報収集するようになった気がする。
これはなかなか大変だが、なかなか楽しくもあり。

おもしろいことに、前述したクライアントの現地法人トップマネジメントも、日本に帰ればミドルマネジメントである。
その点では僕が日本で接していたクライアントと同じ役職にあるにも関わらず、1つの会社を任される立場になることで、自然と目線を高くなり、話題も変わる。

こういう会話をのらりくらりと交わすのではなく、自分の考え・主張を語れるようになるのが、今年の目標の1つ。
がんばろう。

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